対人恐怖の根本にあるのは、見られているという受身性です。
自分には、対象や他者を積極的に見る自分と、
対象や他者から見られる受身的自分がいます。
まず自分が相手を見るという視点があって、
次に自分が見た反応として、他者も自分を見る、
この順序であれば対人恐怖症ではありません。
ところが対人恐怖症の人は、他者に見られる視点しかなく、
ただ一方的に見られている、他者の目前にさらされていると感じます。
自分がさらし者にされているというイメージが恥ずかしさになり、
一方的に自分は見られていて、どうにも成すすべがないと思います。
自分の嫌なところ醜いところ、見て欲しくないところを
全部発見されてしまうのではないかと恐れます。
そんな自分を隠したいとなって、サングラスをかける人もいます。
「目は心の鏡」:目はその人の心を映し出す鏡のようなものだから、
目を見ればその人の心のあり様が読み取れるものである、というように
目を隠せば心を読み取れる事は無いと考えるためです。
他者の目前にさらされたとしても、自我がしっかりしていれば
「私は私」という自己意識があります。
すると、他者の視線は自我境界で食い止める、または撥ね返す事が出来
言い返す事も出来ます。
自我が未成熟であると気弱になり、他者に強く言われると言い返せません。
自分に主体性がなく自己主張出来ないで他者に合わせて、
言われるままに行動し、結果振り回されます。
自我境界がしっかりしていないので、簡単に他者に侵入されて
自分の考え行動までも、乗っ取られてしまいます。
例えば親が子どもに「もう勝手にしなさい」と言えば、
子どもは見捨てられる恐さを感じて、親の言う事をききます。
こうして親は子どもを簡単に自由に操れます。
日常的によく使われるセリフだと思います。
本当は他者の言う通りにはしたくない、でもそうしなくてはならない、
この二つの自分が葛藤し、心的エネルギーは浪費されます。
人と関わる事で疲れると、対人関係からも退却する事になります。
私は子どもの頃から対人恐怖症で、理論通り自我脆弱で自我境界がなく、
簡単に他者に侵入され、操られ、言いたい事も言えずにいた。
だから一人が楽だと思っていたんだと、講座で学び納得しました。
子どもの自我、自信、肯定感をつくるのが親の承認と賞賛です。
これらがあれば対人恐怖症になりません。
否定せず「そうだね」と子どもの言う事、する事を認め、
子どもを普段からよく見て、出来た事・努力した事を褒めてあげてください。
- インテグレーター養成講座Ⅱ 病理 恐怖症 -
2016.4.14講座内容より
ラカン精神科学研究所メールマガジンも参照ください。
http://archives.mag2.com/0001106260/20150701100000003.html ラカン精神科学研究所メールマガジン テーマ:「対人恐怖」
http://archives.mag2.com/0001106260/20150801100000003.html ラカン精神科学研究所メールマガジン テーマ:「対人恐怖の治療」
インテグレーター(精神分析家) 登張豊実
http://lacan-msl.com/ ラカン精神科学研究所のホームページ
http://mama.lacan-msl.com/ オールOK!子育て法
http://archive.mag2.com/0001106260/index.htm ラカン精神科学研究所メールマガジン
http://www.sifuku-no-yakata.com/ 始源回帰セラピー
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1983(S.58)年 結婚とともに京都市伏見区に住む。後に二女の母親になる。
1994(H.06)年 精神分析を受け始める
二人の娘をのびのびと心豊かに、優しく育てたいと願いながら、全く逆に口うるさく命令指示し、手さえ上げてしまう自分に愕然とし、これは治療の範囲であることを自覚し、分析治療に入る。
1996(H.08)年 大沢精神科学研究所のインテグレーター養成講座で、3年間精神分析理論を学ぶ。
1999(H.11)年 吉川精神科学研究所を開設する。
1999(H.11)年 母親教室開始。
2001(H.13)年 吉川精神科学研究所ホームページ開設
2004(H.16)年 ラカン精神科学研究所に名称を改め、インテグレーター名を天海有輝とする。
2004(H.16)年 ラカン精神科学研究所ホームページ開設
2005(H.17)年 京都府青少年の社会的ひきこもり支援ネットワーク協力参加
2007(H.19)年 天海有輝のセラピー日記(ブログ)開設
2007(H.19)年 ㈱ラボックスの「京都良店」に「京都良店的深層心理テスト」掲載開始。
2007(H.19)年 分析理論講座・インテグレーター養成講座開始。
ラカン精神科学研究所の名称と、インテグレーター名「天海有輝」は、精神分析的考えのもと、他者の願望や欲望によって付けられた、子ども時代の名前を改め、自らの意思と主体性をもって、自らが名づけました。フランスの分析家ジャック・ラカンを目指し、また無意識という闇を意識の光で照らし、自らも天と海の間にあって、光り輝く人となるように、そういう意味を込めました。